ローズマリーを鉢植えで育てるのは簡単でない!
ローズマリーについては、「放っておいても育つ」、「初心者でも育てやすい」と言われていますが、それはお庭などに地植えする場合のことです。
「マンション暮らしなので鉢植えで育てたい」という方も多くいらっしゃるかと思いますが、その場合は地植えで育てる場合と比べかなりレベルは上がります。
以下では、ローズマリーを鉢植えで育てるコツについて、自身の体験をもとに解説したいと思います。
ローズマリー君が我が家にやってきた!
ローズマリーを鉢植えで育てるべく、20cmくらいの大きさのポット苗を買ってきました。ローズマリー君、ようこそわが家へ。
早速、ポットから植木鉢に植え替えしようと、近所のホームセンターで植木鉢、皿、培養土、鉢底石を買ってきました。
植木鉢は植え替えの手間を考えると少し大きめのほうがよいと思いますが、あまり大きいサイズだと水分の調節が難しく根腐れする可能性があります。
今回は大きすぎず、小さすぎず、ということで、5号の植木鉢をチョイスしました。
培養土は、草花、野菜、ハーブなどに適しているという刀川平和農園の「花と野菜の有機培養土」を選択。赤玉土、鹿沼土、くん炭に加えて、肥料やココナツピートも配合されています。また、鉢底石は、量がちょうどよかったので、(株)ドリームの鉢底の石1.2Lをチョイスしました。
ポットから植木鉢に植え替えしてみるとちょっと様になった気がします。ローズマリー君、新居は気に入ってくれましたか?
梅雨の時期はうどんこ病との闘い
ローズマリーは、原産地が地中海沿岸地域なので、日当たりがよく、乾燥した気候を好みます。
しかし、日本の梅雨は日当たりが悪くジメジメしていてローズマリーが好む気候とは真逆。体力のない苗木はうどんこ病などの病気になりやすい季節です。
何とか日照時間を確保しようと、雨が降っていなければ、日中はなるべくベランダに出すようにし、雨の日もカーテンを開けて窓越しの位置に置いてあげるようにしました。また、水やりは5日おきにしました。
それでも、下の方の葉っぱには白い粉のようなものが発生。これがうどんこ病です。
他の健康な葉っぱに病気がうつらないよう、うどんこ病になった葉っぱはすぐに切るようにしていました。しかし、また2、3日するとうどんこ病の葉っぱが出てくる。
まずは重曹をトライ
このままだと葉っぱ全部がうどんこ病にかかってしまう。何とかしなければ、とネットで対処法を探してみると、「重曹と水を1:1000の割合で溶かして葉っぱに吹きかけるとうどんこ病の予防効果あり」といった趣旨の記載がありました。
早速試してみようと薬局で重曹を購入。2Lのペットボトル容器に重曹を2gくらい入れてよく振り、100均で買った霧吹きに溶液を移して全体にたっぷりとかけました。
これでなんとか収まってほしい、と祈るような気持ちでいましたが、2、3日するとまたまた白い粉が葉っぱに・・・
なお、効かないからと言って重曹の濃度を濃くすると枯れてしまうことがあるようです。やはり専門の薬でなければダメか。
室内で農薬は使えない・・・
専門の薬というと、まず「農薬」が思い浮かぶが、室内で育てている場合に毒性の強い農薬を使うのはちょっと難しい。
農薬の他に何かないかネットで調べてみると、フマキラーの「カダンセーフ」が見つかった。化学殺虫剤を使わない食品成分由来の殺虫・殺菌剤で、野菜や草花にも安全に使えるとのこと。これなら室内で育てている場合でも使えそうだ。
ホームセンターで買ってきて、早速、ローズマリー君に噴射。これで何とか治ってくれ。その後、しばらくの間は葉っぱに白い粉が発生しなかった。やった、効果があるようだ。
ただ、噴射後、1、2週間すると葉っぱに白い粉が出てくるので、1週間おきに薬を噴射することにした。これで何とか梅雨を乗り切ることができた!
ローズマリーは日本の夏も苦手・・・
さて、うどんこ病との闘いも一段落してちょっとほっとしたいところであったが、次の難関は夏の猛暑。ローズマリー君は日本の夏も嫌いなのです。
先に、ローズマリーは日当たりを好む、と書きましたが、ここ数年の日本の夏は災害レベルの暑さ!連日猛暑日で「体温越え」の日もある。このため、夏の時期に日光に当てようとベランダに出したり、窓際に置いておいたりすると、しおれてしまいます。
日中の厚い時間帯にローズマリー君を窓際においていたら、1時間くらいでてっぺんの茎がお辞儀をするように垂れていました。慌ててクーラーの利いている部屋に移して水をあげたところ、5分くらいで茎は元通りになりましたが。
それ以来、夏の間は涼しい日陰の部屋に置くか、日光に当てたいときはクーラーの利いた部屋で窓際に置くようにしました。ネットや本などには、「ローズマリーは夏の暑さにも耐える」といった記載もありますが、昨今の日本の夏は厳しすぎるようです。(人間にとってもかなりきつい・・)
だいぶ大きくなってきましたが・・・
上述の夏の暑さ対策が功を奏し、ローズマリー君は夏の間に順調に成長し、背丈もずいぶん伸びてきました。この分だと、根も結構大きくなっているはず。そうすると、今の5号の植木鉢では根が窮屈になっているかもしれないと思いました。
そこで、もう少し大きい植木鉢に植え替えようと、ホームセンターで7号の植木鉢を購入。
10月の涼しい日に植え替えを決行すべく植木鉢からローズマリー君を取り出してみて、ビックリ!根は買ってきたときと同じように貧弱なまま。それどころか、根の先のほうがかなり黒ずんでいて、土がカビっぽい感じになっていました。明らかに水のやりすぎで根腐れしかかった状態です。慌てて、新しい土に変えて元の5号の植木鉢に戻しました。完全に予想外れ。これにはかなりガックリきました。
水の量を見直す
どうも夏の間に水をやりすぎたようです。当初は水やりは5日おきにしていましたが、夏の間は、土の表面がすぐ乾くので、水切れで枯れてしまうのを心配して、1日か2日おきのペースで水をたっぷりやるようにしていました。結果として、この「安全策」が裏目に出ました。
そこで、水やりの量とタイミングを今一度見直すことにしました。ネットなどで見ると、「水は植木鉢から漏れ出してくるぐらいにたっぷりと与えて・・・」と書かれているものが多いですが、この「たっぷりと」の程度が難しい。
これまで土がびしゃびしゃになるくらい(コップ1.5杯分くらい)やっていましたが、これだと多すぎる。このため、水の量を植木鉢から漏れ出してくるかこないかくらい(コップ1杯分くらい)に抑えることにしました。
水やりのタイミングは非常に悩ましい・・・
水の量は上述の通りでよいとして、問題は水やりのタイミングです。土の乾き方は気温、湿度によって全然違うし、その期間のローズマリー君の水の消費量にもよっても違ってくる。
タイミングを感覚的にコントロールしようとしても難しいので、何とか機械的にコントロールできないかと、ネットで売っていた4,000円くらい土壌水分計((株)アイシー製のサーモ901)を購入。
本製品は園芸で有名な芸能人の方も勧めていたので、これで問題解決かと思いましたが、甘かった!この製品はあまり精度が高くないのです。(乾いているか、ぐっしょり濡れているか程度しか判別できない。)
他の植物だとこの程度の精度でも問題なく使えるのかと思いますが、鉢植えローズマリーのようにシビアな水分コントロールが求められるものでは残念ながら役に立ちませんでした・・・
このため、「3日」という期間を水やりの基本サイクルとして、植木鉢を持ち上げたときの重さや土を指で掘った時の湿り具合で基本サイクルよりも早くやるか遅くやるかを判断するようにしました。まだまだ完ぺきではないものの、少しずつ水やりのタイミングのコツがつかめてきた感があります。
お誕生日おめでとう!
ローズマリー君、1才のお誕生日おめでとう!紆余曲折はあったものの、無事に1シーズンを乗り切りました。
秋になると、気温が下がり秋雨前線で雨も多くなるので、時々うどんこ病が発生します。でも梅雨の時期に比べればずっと楽で、カダンセーフを定期的に塗布していれば問題なく乗り切ることができました。
また、冬は日照不足になりがちなので、毎日窓際の日当たりの良い場所に置くようにしていました。ネットには「ローズマリーはある程度の寒さにも強い」との記載もありますが、やはり屋外だと厳しいと思います。
なお、実家の鉢植えローズマリーは、寒い冬場も室内に入れずベランダに出しっぱなしにしていたため、2,3週間程度で枯れてしまいました。
ひ弱だったローズマリー君も、今の日本の厳しい四季を乗り越え、少しずつたくましさが出てきたような気がします。これから、もっともっと大きく、たくましくなってください。
ローズマリー君がついに花を咲かせました!!
ある日、茎の先端に、今まで見たこともない、玉のようなものが出現していました。これまでは、うどんこ病やら根腐れやらと、いろいろすったもんだがあったため花のことなど考えもしませんでした。が、もしや花を咲かせるのでは?と期待しておりました。
その期待にみごと応え、つぼみらしきものが出現してから2日くらいして、ローズマリー君がついに花を咲かせました!
マンションでの鉢植え暮らしという、決して良い環境ではないにもかかわらず、本当によく頑張ったと思います。ローズマリー君、花の贈り物、どうもありがとう。
まとめ
以上、ローズマリーを鉢植えで育てるコツについて自身の体験をもとに解説してきましたが、いかがだったでしょうか?ローズマリーを鉢植えで育てるのが簡単ではないことがお判りいただけたかと思います。ローズマリーを鉢植えで育てる肝は、何といっても、「うどんこ病対策」、「水やりのタイミング」及び「日照時間の確保」の3つです。
皆様がロースマリーを鉢植えで育てる際に、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。